Courio-Cityのヤナケンです。

9月20~25日に6日間かけて開催されたCMWC(Cycle Messenger World Championships)は、盛況のうちに終了しました。
28ヶ国約400名が参加し、日産スタジアムには、計1万人の来場者があり、文字通り国際的なイベントとなりました。
OPENカテゴリーの優勝は、アメリカ・L.A.から来たBrian Safaの手に。2位は、デンマーク・コペンハーゲンのJoJo、3位にはスイス・ベルンのHaudiが入りました。また、WTNBカテゴリーでは、デンマーク・コペンハーゲンから来たShottieとModstandが1位と2位になり、3位には、スウェーデン・ストックホルムから来たSiriが入りました。

日本人の上位では、東京のSawakenが総合6位、クリオシティでは、Yagi-Pが総合11位と健闘しました。前年のCMWCニューヨーク大会で優勝したクリオシティのChikappaは、残念ながら連覇とはなりませんでしたが、開催期間中の至る所で存在感を発揮していました。
その他、詳しくは大会オフィシャルウェブサイトでリザルトや当日の雰囲気を見ることが出来ます。
また、大会報告書PDF(31P)もありますので、興味ある方はこちらよりダウンロードしてください。

 

CMWCの後援に付いていただいた7つの部局や団体、協賛していただいた68社の皆さま、ご協力いただいた25団体の皆さま、そしてご寄付をいただいた個人・団体の皆さま、イベントの至る所でボランティアとしてお手伝いいただいた約350人のスタッフの皆さま、そして実行委員会のスタッフたちとそのご家族たち、本イベントにご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございました!

 

主催は実行委員会が担いましたが、開催地のメッセンジャー会社であるクリオシティが全面バックアップする形で行われました。大会期間中であっても業務のオーダーは通常通りありますし、人が余っているわけでもありませんので、クリオの面々は、大会運営を推進する者と通常オーダーを遂行していく者とに分かれ、それこそ陰に日向に至るところで支えてくれました。改めて、スタッフ全員に感謝しなくてはなりません。

CMWCはデリバリー競技の選手権という意味合いを持つ一方で、街を支えるインフラとして再認識し合い、互いを労い合うセレブレーション的な意味合いも持ちます。
来日された参加者たちに、こんなに離れた国でも、同じ意志の元、頑張ってる人たちがいるんだということが、ポジティブなメッセージとして少しでも伝わったなら幸いです。

 

クリオシティを立ち上げの数年前、まだメッセンジャーを始めた頃は、その頃の社長と自分の二人だけ、横浜で自転車メッセンジャーは自分一人しか走ってない、なんていう頃がありました。
そして2000年のCMWCフィラデルフィア大会に初めて参加して、世界中のメッセンジャーたちの存在に強く勇気づけられた事を覚えています。
それから20数年が経って、まさか世界中のメッセンジャーが今度は我が街・横浜に集まって、CMWCが開かれることになるなんて、正に夢のようです。

参加してくれた人々にとって、今度はCMWC横浜が誰かの追い風に少しでもなれたでしょうか。

■ 横浜の街の理解と懐の深さ ■
開催会場は、決まるまでなかなか難航しましたが、結局地元民にとっては胸を張れる場所を用意することができました。
受付会場として、みなとみらいの「象の鼻テラス」を用意し、来浜してくれた参加者には、まず象の鼻パークから横浜港を眺めてもらい、金曜日のオープンフォーラムは山下公園で行い、ウェルカムパーティーはマリンタワーの展望階を貸切にして夜景を楽しんでもらいつつ、土日は、日産スタジアムを余すところなく会場として利用させていただきました。そして、それは横浜の街がメッセンジャーを認めてくれているということを意味し、参加者、特に海外からの参加者に、そのことを示すことができました。

 


■ 日産スタジアムにとって4つ目の世界大会決勝 ■
大変おこがましい話しを一つ。日産スタジアムは過去3つの世界大会決勝の地として世界に名前を残しています。
1つ目は、2002年の日韓ワールドカップサッカーの決勝戦。(この時自分たちは、全64試合直後に出された号外新聞を横浜各所のホテルへデリバリーしてました)
2つ目は、2019年のラグビーワールドカップの決勝戦。そして3つ目は、2021年に行われた東京オリンピックでのサッカー決勝戦
そこで、「4つ目の世界大会決勝の地になるのはいかがですか?」なんて調子いいプレゼンをしたのが、ちょうど4年前の2019年12月。
大会の格は一旦置いときまして、そんな由緒正しい場所をお借りしてCMWCを開かせていただけたことは、光栄の一言に尽きます。4つ目としてその並びに加えて頂けるかは、かなり微妙ですが、事実であることに違いはありません。痛快ですね。

 

■ イベントを通じてローカルメディアに登場し、社会的に周知できた ■
1,オンラインメディアから新聞・ラジオに至るまで多くのメディアに取り上げていただきましたが、特に神奈川新聞1面の半分くらいのサイズで大きく取り上げていただけたことは、大きなことでした。日常業務をただ続けるだけでは、絶対にあり得ないことです。

 

2,地元誌のタウンニュースでは、実行委員長を担ったクリオのサンテ(中島)を取り上げていただきました。

 

3,FMヨコハマの番組にゲストで出演しました。

 

4,YOKOHAMA Seasiderの記事と表紙に登場しました。

 

5,テレビ神奈川の夕方のニュースで放映されました。

などなど。他にもたくさんあり書ききれないため、興味ある方は「報告書の『メディア関連ページ』」をご覧ください。

 

■ CMWCとは何だったのか? ■
CMWCは、自転車で物を運ぶことを生業としている人々にとって、年に1度「メッセンジャーをやってきて良かった」と感じてもらったり、改めて存在を見直してもらうお祭りのようなものです。また、それを通して国際異文化交流が進み、間接的に国際平和に貢献しているものだと言えます。
今大会は特に、参加対象を「アーバンサイクルコミュニティー」に広げたことで、メッセンジャーが大事にする価値観を、一つ外側の参加者たちにも共有することができたのではないかと思います。
また、CMWCほどの大会であっても、単発で開かれただけでは影響は限られてしまいます。規模は小さくても定期的に繰り返し開かれることで、価値観が共有されていったりコミュニティが醸成され、ひいては街づくりにも自転車の観点からポジティブな影響を与えられていくようになるのではないかと思われます。

最後に、競技後に起きた事故については、同じことが繰り返されないよう海外参加者に対して、文化の違いや注意事項をより深く事前周知していくことが大切です。

2024年のCMWCはスイス・チューリッヒで開催され、25年はオーストラリア・シドニーでの開催が決まりました。横浜大会が上手くいくよう前年のニューヨーク大会のオーガナイザーからヘルプがあり、それに助けられたわけですが、今度は横浜の実行委員会が、翌年のチューリッヒ大会まで上手く繋ぐことが出来て、初めてCMWC横浜が本当の意味で成功したと言えるのかもしれません。ホストシティにとってCMWCの開催はゴールではなく、寧ろこれからの継続性が問われますので、引き続き、他都市にも追い風となるようなポジティブな影響を出して行かれたらと思います。

Courio-City Yanaken