毎年、世界のどこかの都市で開かれるサイクルメッセンジャー世界選手権大会。
メッセンジャーの間では、CMWC(Cycle Messenger World Championships)としてお馴染みです。
2022年は、コロナ禍のため開催予定だったコロンビアのボゴタ大会が中止となり、急遽代理開催としてニューヨークで10月に行われました。
 

日本からはクリオ所属2名を含む3名が参戦してきましたが、なんと、なんとなんと!
なんとなんとなんとなんと!!
クリオシティのチカッパが、優勝するという快挙を成し遂げてまいりました。
大会を知っているだけに、これは凄いことです。どんな世界でも、世界大会と冠するもので勝つというのは、やっぱり難しいものです。日本人としても、2008年トロント大会、2009年 東京大会に続き、13年ぶり3人目の優勝となります。
世界中の街でサイクルメッセンジャーとして走っている脚に覚えのある武者が集まってデリバリーを競い合うわけですから、やっぱりレベルは高いわけです。
 

配送競技の要素としては、早く走ることの他に、数あるオーダーをどういう順番で運ぶと最短距離になるかを素早く計画し、分岐点も数多くあるので走るルートを考えながら走らないといけません。もし分岐点で間違えば、コースは一方通行のため、それだけ無駄な距離を走ることになり、このデリバリーレースでは走力と同じくらい判断力が試されるのです。

 
通常の自転車競技のように、スタートして走り切るだけのレースではなく、
自転車を停める→(場合によっては)鍵を掛ける→受付テーブルまで走る→バッグから荷物と伝票を出す→受け渡しをする→荷物をバッグに入れる→鍵を外して出発する
というストップ&ゴーを何度も何度も繰り返していくため、一つ一つの動作に無駄な動きがないことも勝つためには必要な要素となります。
前を走る選手にただくっついて走っていれば良いわけではなく、レース中は常に自分自身と向き合いながら主体的に選択を繰り返していくような、実際の日常に即したものになっています。
 
もちろん、受け渡しの際には一言二言、気の利いたセリフでお客さんとコミュニケーションを図りたいものですよね、プロとして。(話し過ぎていると勝てませんが、コミュニケーションに重きを置くメッセンジャーも実際、数多くいます)

 

ちかっぱ優勝の詳細については、先日やる気スイッチでおなじみの「やる気ラボ」さんから受けたインタビューに色々と詳細が載っていますので、そちらを紹介し、ここでは補足に留めます。

レース後、最高の笑顔のチカッパ。2位のダーシー(シドニー)、3位のダニエル(メキシコシティー)と。

 
彼は優勝を目指して8度目の挑戦でやっと念願叶ったわけですが、その道のりは決して短くはありません。 
以下が彼の世界大会の戦歴ですが、けっこういろんな国に行ってきたものですね。笑
2009 東京 -初参加
2012 シカゴ
2015 メルボルン
2016 パリ
2017 モントリオール
2018 リガ
2019 ジャカルタ
2022 ニューヨーク -優勝

 
個人的には、2003年に会社を立ち上げてから時間もなくなり、CMWCからすっかり離れてしまったため、自分の想いを彼に投影して戦績を見てきたところがあり、それだけに今回の優勝には格別のものがありました。
 

今年2023年は、いよいよCMWCを横浜で開催することが決まっています。(2019年ジャカルタ大会にて決定!)
この事については、また追って改めて書かせていただきますが、奇しくもディフェンディングチャンピオンが、クリオシティから出ることになろうとは、誰が予想できたことでしょうか。事実は小説より奇なりとは正に。
今年は多くの人にとっても、熱い一年になるといいですね。
 

熱い盛り上がりを楽しむためにも、日々の坦々とした積み重ねが大切です。彼はこれから世界チャンピオンというフィルターで周りから見られていきますし、それに劣らない人格も身に付けていってもらいたいと思います。
これはクリオ全体にも言えることですが、目の前のことにしっかり向き合って、日常も非日常も両方を内包して前に進んで行きたいものです。
改めて、快挙を成し遂げたチカッパに、最大限の称賛を贈ります!
 
ride safe
87ken